ファショコン通信

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TRANOÏ 2006 S/S 合同展示会レポート

取材に至るまでの経緯

2005年10月6日から10月9日まで、パリの Palais de la Bourse(Place de la Bourse)、Bourse de Commerce(2 rue de Viarmes)、Montaigne(7 rond-point des Champs Elysées)の計 3会場にて、TRANOÏ の 2006 S/S FEMME 合同展示会が催された。この展示会は、パリコレクション期間中に行われたもので、連日 10:00 から 19:00 まで開催されていた。
TRANOÏ は、1991年にマリエル・ガンボア(Mariel GAMBOA)によって始められた服と小物の合同展示会である。その後、アメリカの展示会運営会社であるフェアーチーム(FAIR TEAM SA)に経営が移り、2004年3月からレクレルール(L’ECLAIREUR)のオーナーである、マルティーン・アディダ(Martine HADIDA)とアルモン・アディダ(Armand HADIDA)夫妻及び息子のミカエル・アディダ(Michael HADIDA)が主催している。メンズとレディースのパリコレクション期間に合わせて毎シーズン計 4回開催される、極めて大規模な合同展示会である。
Palais de la Bourse は証券取引所を用いた会場であり、出展ブランドは 1/2 Un-Demi par Mihoko Saito、2.10.10.5、3J WORKSHOP、A&G、ACCESSOIRE DIFFUSION、Acne Jeans、ANTONIA DE VETTA Jewellry、APRIL, MAY、ASOLA、BALI BARRET、BELLEKAT、NIYA、BUTTERFLY DROPOUT、CAROLE FAKIEL、CHARLOTTE MULLOR、CH. IND、Citizens of humanity、COAST + WEBER + AHAUS、CORLEONE、CORPUS、(C) STUDIO、DANIELA DE MARCHI、DAVIDELFIN、DELFINA SWIMWEAR、earnest sewn、ELISANERO、ELISE GUG、ELLA MOSS、ERNEST、ERVA、EV4、FRAUENSCHUH、GOLD HAWK、GOLDEN GOOSE deluxe brand、GOLDSIGN、HERION、HISTOIRE DE VOIR、HOMMA、HUMANOID、intoca.、ISAAC SELLAM EXPERIENCE、ISAMU KATAYAMA BACKLASH、ISCHIKO、ISSA、JADE WILSON、Jas-M.B.、JOHNNY WAS、JORGE MORALES、JOSHI、JUST MARIOT、JW LOS ANGELES、KEI KAGAMI、KYOKO HIGA、L’ALI’、LOCAL、LOLA、M.A.R.S. PLANET、M/M MASAYUKI MARUKAWA、MADELEINE PRESS、MAN WING、MARILYN MOORE、MELISSA、MILLA、MIRA MIKATI、MODE ACOTE、MONICA VINADER、MOVIMENTTO、NANDO MUZI、NAO、.NORMALUISA、paperdenim&cloth、PENELOPE CHILVERS、PEOPLE’S LIBERATION、PIPPA SMALL、POLECI、RAMOS MARTIN、REINHARD PLANK、ROSA MARIA、ROSS + MUTE BY ANONYMOUS、SANTACROCE、SARA BERMAN、SCAGLIONE、SECRET PON PON、SIMEON FARRAR、SISI WASABI、SPLENDID、STONED & WAISTED、tag jeans、TATABORELLO OFFICINA BIJOUX、TOCCA、TRACY REESE – PLENTY by TRACY REESE、TRUE RELIGION BRAND JEANS、TSUBI、TUFI DUEK、VELVET、VXN、WYETH、YESTERDAY NEVER DIES の計 98ブランドである。
Bourse de Commerce は商品取引所を用いた会場であり、出展ブランドは 81 HOURS、ABRAHAM & THAKORE、AGANOVICH YUNG、AILANTO、ALBERTO INCANUTI、ALLY CAPELLINO、ANNEMIE VERBEKE、ARENA CPH、ARISTOLASIA、avant toi、BAGTERIA、BAMBI BY LAURA、BAUM UND PFERDGARTEN、BETONY VERNON、BINETTI、BRACHER EMDEN、CHRISTIAN PEAU、collection Privee?、DANIELA VECCHI、DAVID VALLS、DICE KAYEK、ELSA ESTURGIE、ENSO ITALIA、ERICKSON BEAMON、EROTOKRITOS、EUNHWA、EVA BRANCA、Faliero Sarti、GILDA MIDANI、GONKA、GIORGIO BRATO、HEARTMADE / JULIE FAGERHOLT、HELENA ROHNER、HTC、ILARIA NISTRI、INDRESS、iosselliani、JASMIN SANTANEN、JOANNA LOUCA、JUDITH HUGENER、JULIE SANDLAU、KristenseN DU NORD、LARA BOHINC、LE MONT SAINT MICHEL、Les Prairies de Paris、LINDA FARROW VINTAGE、LUC BERJEN、LUCIE ROUART、LUISA CEVESE RIEDIZIONI、MADAM A PARIS、MADS NØRGAARD COPENHAGEN、MARCO TAGLIAFERRI、MARIANA MENDEZ、MARSELL、MARZIA GENESI、MIRIAM OCARIZ、MIST、m0851、MOI JE SUIS、MUSA、NES、NICOLA FINETTI、NIGEL PRESTON-KNIGHT、.NOLOGO、NORIKO ARAKI、NUUR、ORB & ZAHRA SAJAN、PREMIATA、PURIM、QUEENE and BELLE、SAVERIO PALATELLA、SENADA、SHARE SPIRIT、SHELLY LITVAK、SHY、sissi rossi、SOFIE D’HOORE、SONIA SPECIALE、URI SCHNEIDER、VIOLETTA & VERA PEPA、WOUTERS & HENDRIX の計 81ブランドである。
Montaigne はモンテーニュ通り沿いにある会場であり、出展ブランドは A COMMON THREAD、AIDA BARNI + ANNAPURNA、AMEN、ANN LOUISE ROSWALD、ARAKS、ASIA LEONG、AVIU、BOYD、DE/COUTURE、DERERCUNY、ELISA ATHENIENSE、FOSCA、GAETANO NAVARRA、GARY GRAHAM、gianni barbato、GIANNI GUAGLIANONE、GILLES DUFOUR、HARTIAN-BOURDIN、IOANNIS GUIA、JENS LAUGESEN、JOHN ROCHA、KEITA MARUYAMA、LA PETITE SALOPE、LE MARAIS、LINDA LOUDERMILK、MAURO GOVERNA、MIA SHVILI、MISSOTTEN、NELSON LEONG、NG、NOM*D、PAURIC SWEENEY、PIECE A CONVICTION、RAQUEL MORENO、ROZAE NICHOLS、SABATINI WHITE、SAI-SO、SUNJOO MOON、Sweet Pea、TALIE、THINGS、TWO BLONDE LIZZARDS、VERONIQUE RENARD、WORLD、ZAMBESI の計 45ブランドである。
筆者がこの合同展示会に訪れたのは、10月6日。知人のファッション業界人の方がこの展示会に訪れると伺ったので、せっかくだから筆者も、といった具合に訪れることにした。
このような合同展示会は通常、一般の人には公開されていない。しかし、UPSIDEle SHOWROOM の取材を通して既に慣れていたので、証券取引所の会場の受付で事情を説明して取材申込をしてプレスとして入場し、プレスパスを入手した上で、全ての会場に足を踏み入れてみることにした。
どの会場も広大な敷地面積を誇る極めて大規模なもの。来訪者の姿も極めて多い。出展者も 3会場合計で 200社を超えているので、限られた時間内に全てを回るのは困難である。名の通ったブランドがズラリと並び、日本人の出展者の顔も当然のように見られる。
例によって、今回も各ブランドのアイテムを観ていき、特に気になったブランドに、個別に取材交渉をしていくことにした。
以下では、筆者が個人的に気になったブランドを紹介していきたいと思う。

気になったブランド

アイテムの様子
ILARIA NISTRI はイタリアのレディースウェアブランド。デザイナーはイラリア・ニストリ(Ilaria NISTRI)。
このブランドは、フィレンツェ出身の女性デザイナーが手掛けるもので、右写真にもある通り、ブラックを基調としたダークな色使いに、ドレープを利かせたシルエットを生み出す斬新なパターンが特徴的である。
筆者が初めてこのブランドを見たのは、ミラノにあるサドジー(SADOGY)というセレクトショップなのであるが、全てのアイテムを通して色彩やシルエットが統一されているのを見て、ブランドとしての完成度の高さに驚いたのを覚えている。
ちなみに、スタッフに尋ねたところ、2006 S/S のアイテムを伊勢丹が買い付けたそうで、日本でも人気が高まるのは時間の問題である、といえるかもしれない。
尚、エッジの利いたアイテムとは裏腹に、デザイナーは物静かでとてもキュートな女性で、そのギャップがまた好印象であった。
(アイテムの様子は右の写真の通り。画像をクリックすると拡大写真を表示します。)
アイテムの様子
NOM*d はニュージーランドのレディース・メンズウェアブランド。デザイナーはマルガリータ・ロバートソン(Margarita ROBERTSON)。
このブランドは、レザーベルトをアクセントに使う等のストリート色の混じったややハードなイメージのアイテムが多い。今季のアイテムで個人的に気になったのは、左写真にあるように、Tシャツを逆さまにすることでパンツのように見立てたアイテム。同様に、炎のプリントの施されたブラックの Tシャツを、タンクトップに縫い付けることでスカートのように見立てたものもあり、なかなかユニークな発想をもったブランドであると感じた。
ちなみに、Zambesi というブランドをマルガリータ・ロバートソンの姉であるエリザベス・フィンドレイ(Elizabeth FINDLAY)がデザインしており、NOM*d と同一のスペースに展示されていた。こちらの方は、ベーシックなデザインのリアルクローズが主であった。
(アイテムの様子は右の写真の通り。画像をクリックすると拡大写真を表示します。)

取材を終えて

既にブランドイメージがある程度完成された有名ブランドが集まっているせいか、上記の2つのブランドの他にも、色々と勉強になるアイテムを作っているブランドが沢山あり、大きな収穫を得られる合同展示会であると感じた。
世界中のブランドをまとめて膨大にご覧になりたい方は、TRANOÏIuml; に訪れてみてはいかがでしょうか。(終わり)