ファショコン通信

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suzuki takayuki 2012 S/S 展示会レポート

日時: 10月19日(水)~10月28日(金)
会場: LAPIN ET HALOT
今季のテーマは「forward」。ともすれば精神的に沈みがちになる昨今の風潮を意識し、前を向いて一歩一歩進んでいくという「気持ち」を大切にすることを大事にすることをイメージした今季のコレクション。
ボタンを下まで全部留めると襟ぐりが上に持ち上がるようにデザインされたニット、複数の風合いと色合いのテキスタイルを重ねて結びつけたようなデザインのトップス、裾にかけて斜行する前身頃のボタンを全部留めると裾部分が持ち上がるようにデザインされたトップス等、着る人がそれぞれの着こなし方をすることで、自分の服を精神的な拠り所としてほしい、という今季のテーマを背景にしたデザイナーのイメージが、個々のアイテムに現実に反映されるようになっているのが印象的であった。他方で、水牛の角の素材に独自に焦がしを入れたボタンを用いたり、ストライプの麻素材に洗いを掛けて仕上げた生地を用いたりする等、アイテムのイメージに合わせてパーツや素材にひと工夫入れる手法が健在であったのも好印象であった。
また、ルックブックには、全てデザイナーと関わり合いのある役者・歌手・知人をモデルとして起用したり、インスタレーション時のBGMもデザイナーの知人が手掛けたりする等、そういった意味でも、「繋がり」や「支え合い」を印象付けられたコレクションであった。
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