ファショコン通信

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Yasutoshi Ezumi 2014 S/S ショーレポート


日時: 10月14日(月)20:30~
会場: 渋谷ヒカリエ9F ヒカリエホールB
今季のテーマは「Architectonic」。

Architectonic’ 構造上の、構成的な; 建築術の

構造において服を構成する基軸と、建築を構成する基軸は異なっている、地面を基軸に構成する建築に対して、人体を基軸にする ‘服’ という構造物。
建築のリサーチを行う上で、最も着目したのが2つの要素である。ひとつはモダニズム建築デザインに基づく機能性・合理性を重視した表現、直線を活かした空間構成。
そしてもうひとつは、ル・コルビュジェの作品である、モダニズム建築からさらに新しい可能性を追求した「ロンシャンの礼拝堂」コルビュジェのモダニズムに対する逆説的な建築技法を具現していた、有機的な要素を取り入れ構造に柔らかさを与えた線は、今季の大きなインスピレーションとなった。
これらの構造の理から導きだされた色、形、質感で構成するのが今季のコレクションである。直線と曲線の構造、人体と布との間の空間、建築的な配色がもたらした色彩、服という構造物への可能性の追求。

上記のテーマを反映し、建築物の梁を想起させるブラック等のダークカラーをベースにホワイト等のペールカラーの直線的なラインを身頃の各部に張り巡らせたアイテム、ジャカードやプリントで格子のモチーフをあしらったアイテム、ピッグスキンのレザーにパンチングを施した切り替えジャケット、見頃の左右や上下を素材・カラーリングで非対称に切り替えた構築的なアイテム等、パターンとディテールで建築物性・構築性を表現したアイテムが多数登場した。
また、ル・コルビュジェがよく用いたとデザイナー自ら見出したブラック・マジェンタ・グリーン・ブルー・イエローの各色を、配色及び配置をアレンジし、四角形と直線を用いて作り上げた柄をプリントしたアイテムや、オーバーサイズで丸みを帯びたシルエットながらも着心地やバランス面から機能性・合理性を保ったトップス、ヨーク部分や身頃の上下・左右で切り替えを取り入れた様々なアイテム等によりル・コルビュジェの逆説的な建築技法を表現したアイテムも登場した。
前述のオリジナルプリントが施されたシンプルなタンクトップ・パンツ等の日常的に使いやすい物から、高品質なレース生地を用いた優雅なドレスにいたるまで、様々な用途のアイテムがバランス良く取り入れられ、且つ、自ら掲げたシーズンテーマと真摯に向かい合って個々のアイテムに忠実に紐付られた、とても丁寧で成熟したコレクションであったと感じた。

ブランド情報

ヤストシエズミ(Yasutoshi Ezumi)