ファショコン通信

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iliann loeb 2010 S/S 展示会レポート

日時: 10月20日(火)~ 10月23日(金)
会場: ESPACE218(L’ECLAIREUR TOKYO 2F)
今季のイリアンローヴのテーマは「ETERNAL CLASSIC」歴史上でも普遍的な価値を持つ柄や編地、クラシックなアイテムやフォルム等からインスピレーションを受け、現代のアイテム、シルエットに仕上げたのだそうだ。また、ユニフォームというテーマにスポーツテイストを少し加えたライトな風合いのアイテムも多く発表。今回はイリアンローヴ自身でも原点回帰の意味合いがあったようで、そのせいかベーシックなアイテムが多い印象であった。
例えば、1枚目写真の、リネン100%のコンビネーションドレスは、「ホールガーメント(WHOLEGARMENT)」の技術により、ニットタンクトップ部分とニットカーディガン部分がトロンプルイユさながらに一体化されているのが特徴である。リネンなのにも関わらずとても柔らかい風合いに仕上げられているのが好印象で、さらに、ニットタンクトップ部分には裏地としてジャージを充てる等、細かな配慮が印象的であった。また、ニットカーディガン部分は腰巻風に着こなすこともできるそうで、色々な楽しみ方ができるアイテムであると感じた。尚、同ブランドとしてもリネン素材を用いたホールガーメントは初めての試みだそうで、これまでは製造時に糸が切れたりしてしまっていたのを、工夫を重ねて克服したそうだ。
2枚目写真の、コットン100%のレッド x ワインのニットドレスは、ショートスラブコットンとハイツイストコットンを撚り合わせた素材を用いているそうだが、ムラ染め加工が施されており、独特の色合いとシンプルなシルエットが相俟って、大人の女性の雰囲気が醸し出されていた。同素材のストールとコーディネートすると、よりシックなイメージになるのが印象的であった。
3枚目写真の、コットン100%のライトグレーのジップアップニットパーカーは、通常の強撚コットンにさらに撚りを加えてドライ感とドレープ感を出した素材だそうだが、細かな柄編みやゴールドのジップ、着丈の長さや短い袖部分のフェミニンなディテール等が、スポーティなイメージのニットパーカーに上品なアクセントを加える役割を果たしており、様々な場面で使いやすいアイテムに仕上げられていると感じた。
4枚目写真の、リネン100% x シルク70%・リネン30%のホワイトのシャツドレスは、独特のしぼ感と張りがあるリネン100% のちりめん素材を布帛部分に用い、ブザムにシルクとリネンの混紡糸のニットが用いられており、メンズライクなアイテムでありながら、素材の風合いと色合いで全体的にイノセントな印象になるように仕上げられていたのが印象的であった。
尚、同会場では海外向けブランドである「アイエル バイ サオリコマツ(il by saori komatsu)」のアイテムも同時に発表されていたが、こちらは思わず笑みがこぼれるようなニードルパンチ(画像をみる)や驚くほど贅沢な分量感のニットドレス(画像をみる)等、イリアンローヴとは異なった上質且つ挑戦的なものが多い印象であった。













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