KINGLY THEATRE PRODUCTS 2006 S/S

キングリーのショーの様子

  会場はシアタープロダクツのショーに引き続き、聖徳記念絵画館前の大型特設テント「TOKIWA」。開催予定時刻は 12:30。
  シアタープロダクツのショーが終わり、スタッフがアイスカフェラテを配布している頃、別のスタッフが、キャットウォーク上の両路肩付近に、いくつかのミュージックスタンドを一定の間隔を置いて並べ始めた。ふと、招待状に目を通すと、「All music composed by Yuya Honda and Performed by Chanchikitornade」と記載してある。どうやら、「チャンチキトルネエド」というバンドが生演奏を行う形式のショーであるようだ。
  スタッフがミュージックスタンドの準備を終えると、来訪者の気持ちも来るべきショー開催へと移ろっていく。そんな来訪者の気持ちを察してか、予定よりほんの数分遅れくらいで、来訪者席の後方から人間味のこもった生きた音楽が流れ出した。
  チャンチキトルネエドが演奏しているのは「GO-GO Ching Dong Band」。計12人の演奏者がそれぞれ演奏をしながら、キャットウォークに向かって会場内を歩いていき、準備されたミュージックスタンドの前に整列した。
  そして、一瞬曲が止むと、すぐさま「欧羅巴へ極東へ(ニシヘヒガシヘ)」の演奏に入る。ショーのスタートだ。
アイテムの様子
  今回のショーのテーマは、「本田祐也と万国旗」。1999年にチャンチキトルネエドを結成し、独特のチンドン屋的メロディーを現代的手法でブラスアンサンブルに開花させた作曲家兼演奏家で、2004年に26歳の若さで急逝した本田祐也氏へオマージュを捧げるショーで、「万国旗」とは、世界を転々として活動する生前の本田祐也氏の活動状況や、自国の文化を愛し尊重するという彼の視点・思想等の世界観から喚起された、グローバルなイメージをキーワード化したものであるとのこと。本田祐也氏は生前、シアタープロダクツのショー音楽作曲を行うなど、ブランドに関わっていた縁の深い人なのだそうで、今回のショーは彼のイメージをキーワード化した「万国旗」を軸に構成されているのだそうだ。
  例えば右写真のジップアップのシャツにプリントされている水墨画は、右前身頃部分に隅田川やエッフェル塔が、左前身頃部分には新宿のビル群が描かれており、それらを繋ぎとめるかのごとく、万国旗が空を舞うように描かれている。また、インナーに着ている Tシャツの胸部にも、万国旗を思わせる国旗がプリントされている。視覚的にもとても美しいアイテムである。
  ちなみに、ボトムスはラングラー(Wrangler)とのダブルネームのジーンズであり、履物はサンダルではなく雪駄である。尚、ラングラーとコラボレートしたのは、ラングラーのジーンズが最もカウボーイらしいイメージを持っているからなのだそうだ。
(アイテムの様子は右の写真の通り。画像をクリックすると拡大写真を表示します。)
アイテムの様子
  また、今回発表されたアイテムの中で個人的に気になったのは、左写真にある、藍染めのアイテムのシリーズである。インナーに着ている Tシャツは藍染め特有の深い発色が美しく、その上に赤やピンクでプリントが施されており、そのコントラストが藍染めの発色の良さをさらに際立たせている。また、同様に藍染めによる生地を用いたスウェットパンツは、膝元にシアタープロダクツのロゴ入りレザーパッチをあしらったり、ゴールドのパイピングコードをアクセントとする等、とてもユニークなアイテムとなっている。尚、左写真のデニムジャケットもラングラーとのダブルネームのアイテムであり、履物は雪駄である。また、Tシャツの絵柄のドローイングは本田祐也氏によるものだそうだ。
  ほぼ全てのアイテムが藍染めの製品であるため、色彩的にも統一感があり、落ち着いた雰囲気の仕上がりとなっている。
(アイテムの様子は左の写真の通り。画像をクリックすると拡大写真を表示します。)
アイテムの様子
  ショーの途中では、演奏者全員が観客席の方を向き、モデルが出てこなくした上で 1曲演奏する、という場面もあった。来訪者も全員、チャンチキトルネエドの小気味良い音楽に魅了されている様子で、筆者も思わず楽曲に聴き入ってしまった。
  ショーの終盤には右写真のような国旗が大きくプリントされた Tシャツも登場。「万国旗」をキーワードにしたアイテムを、ユーモアを交えて提案しつつ、全てのアイテムの発表が終わったのであった。
  ちなみに、バイヤーからの受注の際には、上記の Tシャツは世界各国の国旗の中から自由に選べるようになっており、後日行われたバイヤー向け展示会の際には、壁に世界各国の国旗のリストのようなものが貼り付けてあった。その徹底したユーモア振りに、筆者は大いに心が動かされた。
(アイテムの様子は右の写真の通り。画像をクリックすると拡大写真を表示します。)

総括

フィナーレの様子
  ショーの最後には、モデル達がとても長い万国旗のおもちゃを持ってキャットウォークに登場。チャンチキトルネエドの演奏もピークに差し掛かる。そして、モデルの手招きに応じるように、長い万国旗の反対側の端を持って、デザイナーの武内氏と中西氏が登場。モデルを含めた会場内全ての人々からの惜しみない拍手を受けつつ、バックステージへを帰っていった。その後、モデル達は長い万国旗を回収しつつ、デザイナーを追うようにバックステージへと戻っていった。
  モデルが全てバックステージへと戻ると、チャンシキトルネエドが「2.2.7」を演奏しながら、1人1人、バックステージへと去っていく。そして、来訪者に大きな興奮を沸かせつつ、ショーは幕を閉じたのであった。
  今回のショーを観て感じたのは、レディース・メンズ共にテーマ作りの丁寧さ、及び、それに関連付けつつ、上質且つ美しいオリジナルなアイテムを創り出す巧さに長けている点もさることながら、シアタープロダクツは、さらにそれらのアイテムを上手に魅せる技術の高さがとても光るブランドである、という点である。と同時に、2つのショーを続けて 1つの会場で行う際に、全く異なったテイストのショーを始めから最後まで、待ち時間も含めて来訪者を飽きさせないように意識して構成している点についても大いに感心させられた。
  そういった意味で、あらゆる点において極めて完成度の高いブランドであると感じた。
  後日、展示会に伺った時にショーの評判をきいてみたところ、やはりとても良い感触を得られたようだ。通常、ショーを観に来た人はバンドの生演奏にはそれほど興味がなく、逆にバンドの生演奏を聴きに来た人はショー自体には興味が無いので、両者が有機的に作用することが少ないらしいのだが、今回の場合は、ショーも生演奏も楽しめた、という感想が多かったようである。
  周囲からの評価も上々であったということで、今後の活躍がますます期待されるブランドであるといえよう。
  ともあれ、有機性・無機性に特化した美しいレディースアイテムやグローバルな視点をデザインに反映したユニークなメンズアイテムをお探しの方には、2006 S/S のシアタープロダクツをお薦めします。(終わり)
(フィナーレの様子は右の写真の通り。画像をクリックすると拡大写真を表示します。)
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