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合同展示会 le SHOWROOM 2006 S/S レポート

展示会の様子
2005年10月6日から10月10日まで、パリの 60 rue de Richelieu にて、le SHOWROOM の 2006 S/S 合同展示会が催された。この展示会は、パリコレクション期間中に行われたもので、7日は 9:00 から 19:00 まで、10日は 9:00 から 17:30 まで、それ以外の日は 9:00 から 19:00 まで開催されていた。
le SHOWROOM は、パリコレクション期間に合わせて毎シーズン開催されている、中規模な合同展示会である。出展ブランドは +PICNIC、2 or + by Yat、an.hel.o、Anke Schlöder、anomalies、anu.leinonen.、Arne & Carlos、BABE、BagieBoogie、"BIJOUX" de GIANNI LAPAGE、BOBOUTIC、Claire Juillet、Co Collections、Colomba Leddi、Dominique Desanti、Elise Anderegg、FAB & JO、FERAL FLAIR、Gallego-Desportes、GOLUBCIK、Hakkin.it by Orobianco、iroe、Juan Pedro Lopez、Karen Monny Paris、Katharina M.、KNUUTA Paris、Les Sables d’lpanema / Caroline Kranz Bijoux、Lieve Vermeire、Lumi、Marcia de Carvalho、Marie Meunier、Matières à Réflexion、Maura Vento、meelbiin、mini labo、Misericordia、NACO – PARIS、Naja et Merveilles、ORGANDINO、Parnasse、Petit Rétro、Prouvost & Father、Sakina M’sa、selvedge.、SEPT BLEUS、serienumerica、Sharmila、SOWAT、tee Lisa、Toklum、TSH、UNI&VINTAGE、WAKE、Yoshi Funabashi の計 54ブランドである。
筆者がこの合同展示会に訪れたのは、10月6日。知人のファッション業界人の方がこの展示会に訪れると伺ったので、せっかくだから筆者も、といった具合に訪れることにした。
このような合同展示会は通常、一般の人には公開されていない。しかし、UPSIDE にも事前申込無しで入れたことだし、物は試しという感じに受付で事情を説明して取材申込をしたところ、プレスとして入場しても問題無いとのことだったので、会場に足を踏み入れてみることにした。
会場は 2フロアで構成された中規模なもの。来訪者の姿もちらほらと見られる。ただ、出展者も多い様子で、全部回るのは意外と大変そう。中には、日本人の出展者の顔も見られる。
既に UPSIDE と CPH VISION in Milan での取材を通してコツを掴んでいたので、今回も各ブランドのアイテムを観ていき、特に気になったブランドに、個別に取材交渉をしていくことにした。
以下では、筆者が個人的に気になったブランドを紹介していきたいと思う。

気になったブランド
DSCF0396Hakkin.it by Orobianco はイタリアのファクトリーブランドであるオロビアンコのファッションライン。デザイナーはジャコモマリオヴァレンティーニ(Giacomo Mario VALENTINI)。
堅実な造りと飽きの来ないデザインで定評の高いオロビアンコだが、この Hakkin.it は別ラインということもあり、極めてカラフルなモザイク柄のプリントの施されたレザーバックや、かなりファッション性の高いものとなっている。
個人的に気になったのはリアルパイソンを用いたシリーズ。リアルパイソンに染色加工を施し、うっすらとグラデートさせているアイテムである。特に、個人的に購買意欲をそそられたのが、右写真にあるリュック。ナイロンのクタッとした感じに、パイソンのハードさがコントラストになっていて、とてもバランスの良いアイテムであると感じた。(アイテムの様子は右の写真の通り。画像をクリックすると拡大写真を表示します。)

anu.leinonen.のアイテムの様子

anu.leinonen.のアイテムの様子

anu.leinonen. はフランスのブランド。デザイナーはアヌレイノネン(Anu LEINONEN)。
このブランドのアイテムは、身頃を二重にして上に来た部分をウェーブさせてカットし、その縁を淡いブルーやイエロー等でパイピングして強調したキャミソールやスカート、ブランドのトレードマークであるグリーンの馬のプリントを胸部分に施し、その手綱部分に何本かの糸を垂らせたタンクトップ等、フェミニンでソフトな中にシンプルだがユニークな遊びを入れたものが多い。
左写真は、タンクトップの片方の肩部分のみ二重にして、紐で縛れるようにし、綺麗なドレープが出るようにしたものであるが、背中部分の内側にのみ、プリントを施したグレーのパッチがあててあるのがおわかりいただけるであろうか。このパッチは、背中の表側からみてもほとんどわからないように付けてあるのだが、外からは見えないけれども自分だけは知っている、ということを表現するために、そのように付けてみた、という以上に、特に深い意味は無いそうである。特に深い意味は無い、という点について、悪びれずに微笑みながら説明してくださったデザイナーさんのキュートさが、アイテム自体にも自然と表現されているように感じた。
ちなみに、先述した手綱部分の遊び糸は、左写真のブランドタグの両側部分にも施されている。(アイテムの様子は左の写真の通り。画像をクリックすると拡大写真を表示します。)

DSCF0411GALLEGO DESPORTES はフランスのブランド。デザイナーは Virginie GALLÉGO と Fabien DESPORTES。
このブランドのアイテムは、ヴィンテージの風合いを残したユニークで独特なデザインで定評があるが、今回のアイテムで特に気になったのは、右写真にあるブルーの生地を用いたシリーズである。
この生地を用いて、ワンピースやシャツ、タンクトップ等があったのだが、この生地は染料として植物を用いているそうで、染色した直後は無色なのであるが、酸素に触れることで藍く色付き、水で洗う度に色が変わっていく、というもの。中世の王族が用いていた手法だそうで、これをフランスで手作業にて行っているそうだ。淡いながらも確かで美しい色付きが印象的であった。
尚、ベイクルーズ(ドゥーズィエムクラス、ジャーナルスタンダード)やオクラ等、日本国内20社と取引関係にあるそうだ。(アイテムの様子は右の写真の通り。画像をクリックすると拡大写真を表示します。)

総括
既に各国で取扱のある、比較的有名なブランドの集まる場所であるせいか、上記の3つのブランドの他にも、新鮮ながらも堅実な試みを為しているブランドが沢山あって、収穫の多い合同展示会であると感じた。
様々な国の様々なブランドを 1度に複数ご覧になりたいファッション業界関係者の方は、le SHOWROOM に訪れてみてはいかがでしょうか。

参考: オロビアンコ(Orobianco) 公式サイト

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